元祖バズ

パリロ

８月に入り、パリロのことを何か書いておこうと思っていました。家族にとってとても大事なことだから。
コリアンにとってパリロ 8.15 は、一度は失ってしまった国を取り戻すことになった大きな日であり、そして自分たちの言葉と自分のほんとうの名前を取り戻した日です。でもそのあと朝鮮戦争が起こり、南北に分断されたきりまだ何にもおわっていません。
今も休戦状態である朝鮮半島のことを考えると、北で必死に毎日を生き抜いているひとたちのことを考えると、オリンピックをテレビで見ている自分のふやけた姿を思うと、自分の気軽で気楽で自由な毎日がほんとうに夢か嘘みたいです。



わたしは日本で生まれて日本で育っても、パスポートは韓国ででも韓国生まれのリアル韓国人とはまた違う、在日３世。アイデンティティについては今も探している部分があるけれど、それでも自分はコリアンだという気持ちは深いところで落ち着いています。
自分が今ここに生きていられるのは、ハルモニやハラボジたちが精一杯生きてくれたおかげ。母語は日本語だからそれを大事にしていきたいし、レオンとエマにも丁寧に教えていくつもりだけれど、朝鮮半島のこと在外コリアンのこと、それはしっかり伝えていきたい。自分の背景を敬うことは、今のこの混沌とした世の中でちゃんと前を向いて生きて行く軸になってくれるはずだと思うから。



レオンとエマは将来、どんな風に朝鮮半島や日本のことを見るようになるだろうと思いながらパリロを迎えました。どこにいても色んな人がいる。社会のふるまい、大人のふるまいを見れば見るほど、自分がどんな人間になりたいかということを考える機会。無関心でいない、ありのままを見るようにする、想像力をもつ、ビジョンをもつ。
もう仕事をやめて９年です。でもいつか３８度境界線がなくなる時がきたら、そのときはその社会に自分のエネルギーを惜しみなく提供できるようでありたい。

手織りとアンモナイト

エステスパークではたまたま二日間の Heritage Festival を開催中で、ネイティブアメリカンのかつての生活を知る催しものなどがありました。そのテントのひとつで、コロラドスプリングス在住の女性が手織りのタオルを販売しており。

手織りの美しさにただただ言葉が出ず。最初はインディゴを一枚買い、そのあとまた戻ってツンドラを思い出させる草色を買い足し、お土産にもと思い直してさらにライラックを買ってきました。一枚を織るのに６−８時間ほどかかり、洗いを丁寧にかけ、１０年ものという同じ織り柄のタオルを見せてもらったけど、わたしたちも大事に使おう。

そのあと、Nature's Own という化石や鉱石を扱うお店に入って、恐竜の骨や歯を見ているうちに買いたくなってアンモナイトを。。。

できればロッキー山脈で採れたものを記念にしたかったけれどここにはなくて、選んだのはロシアのボルガ河のアンモナイト。ペトロを含む地層で化石になったために、角度をかえると虹のようにきれいに光ります。もうすぐ日本に行くのでお土産に買おうと、妹や友だちにと選んでいたらOLに、それは変だよ喜ばれないと諭されて、エマとレオンの分だけに。ジュラ紀の約１億５千万年も前の生命体（の化石）、それはもう小さいけれど大きなロマン。


足がむくんでいたので、同じお店でバスソルトも買いました。ロッキー山脈のものが何かほしかったはずなのにヒマラヤから来た岩塩。でも宝石みたいできれいだよ。

レオンのブルーのお花は、ロッジで水をあげたら無事また開いてくれて、とても喜んでいました。夜は Bonne nuit とちゃんと声をかけていたよ。

子供が生まれてから初めての国立公園でした。カリフォルニアではヨセミテに何度も行き、レッドウッド国立公園に周ちゃんと一緒に行ったときレオンはお腹の中だった。もう一緒にまわれるくらい大きくなりました。

エルクとムース

レオンは今週から新学期が始まっています。その前にひと区切りのつもりで連れていきたかったこの旅行。野生動物にいっぱいあえるよと言ってありました。


トレイルリッジロード沿いに座り込んでたマーモット。ほかのマーモットは鳴いて仲間に警告してたけど、このひとだけは無視して座り込み。

立派な角を持つ、四頭の雄のエルクが前方に。

七頭のエルクの群れ。先頭にいたのはたぶん雌？後方には小さな子供がいました。エマが「バンビ、バンビ！」と大喜び。

スプラグレイクで水草をはんでいた雄のムース。この湖にはビーバーがいるそうで、ビーバーが魚を穫るために作ったらしいビーバーダムもいくつか発見。

後日レオンに、なにが一番たのしかったかと聞いたら、ママと一緒に行った乗馬だと答えたそう。雄のThunder と山の中をポカポカ一時間ちょっと散歩してきました。わたしはダブルライディングが初めてだったので、景色を楽しむどころか緊張しどおしだった。

でもほんとうはレオン、一番たのしみにしていたのは野生のビーバーでした。結局見れなかったんだけど、ダウンタウンでヘリテッジフェスティバルがあり、そこでビーバーのはくせいと。。。けっこう大きいんだねえ。

ベアレイク。頭に角をたててエルクのつもり。レオンはとにかく小石を水に投げ入れるのが好き。ポケットは常に小石でぱんぱんで、湖や小川でうれしそうに投げていました。

ベアレイクのあとに行った Alberta Falls へたどりつく一歩手前。

レオンはカメラをむけるとヘンな顔ばかり。

今回ちょっと心配してたのは三千メートルをこえる高所なので、子供にムリをさせないこと。わたしは頭痛がありました。OLは小さいころから山登りをしているので問題なし。早朝やみんながお昼寝している間に、レンタルバイクでまた園内の高所まで上がって戻ってくるそのエネルギーに、やっぱり男女は違う生き物なんだと実感しました。

ロッキーマウンテン国立公園！

金曜から月曜までの三泊四日で、Rocky Mountain National Park へ行ってきました。飛行機でコロラド州のデンバーまでは２時間ちょっと、その後はレンタカーで国立公園の入り口にある Estes Parkという町に宿泊しました。

土曜は山岳道路 Trail Ridge Road をドライブし、一度ロッジに戻って午後に乗馬、夕方は Sprague Lake へ。日曜は Old Fall River Road をドライブしたあとハイキング。月曜は Bear Lake を歩きました。



トレイルリッジロードから見る山並。

北米大陸を南北に貫くロッキー山脈のなかほどに位置する国立公園で、樹林限界（３４５０m）から高山帯ツンドラへと変わる景色が印象的でした。

宿泊したエステスパークが下に広がるビューポイント。

ドライブしながら３７１３mの高所を通りすぎ（とおりぬけできる舗装道路の全米最高地点だそう）、Continental Divide 大陸分水嶺も越えました。水が、太平洋側もしくは大西洋側どちらへ流れるかの分岐ライン。Poudre Lake からは大西洋（メキシコ湾）へ。

日曜はそのパウダーレイク沿いで、大陸分水嶺とトレイルリッジロードが交わる峠のミルナーパス（標高3279m）から、Poudre River 沿いのトレイルをハイキングしました。高所のせいで自分は息があがってたいへん。レオンが３時間、最後まで歩き通してえらかった！

途中でつんだ、レオンがお気に入りの色ブルーのお花。ずっと握りしめていたのでハイクの後半には花が閉じてしまい、半泣きしてしまいました。

ロッジは、国立公園の入り口からたった５分のところにある Alpine Trail Ridge Inn 。とにかくぴしっと清潔！冷蔵庫とレンジもあるし、ボロネーゼパスタがおいしいレストランもすぐ隣で、よいところでした。

Buzzette

去年のハロウィンにレオンが着たトイストーリーのバズの安っぽいコスチューム。レオンが着たいというので出してあげたら翌日、レオンが出かけるやいなやエマも「バズ、バズ」、着せてという。

パパいわく、ロシアの入れ子、マトリョーシカみたいだってーー

TX一年

テキサスに引っ越してきて一年がたちました。なんとなく長く感じた一年だったかも。テキサスに住むとはまさか思っていなかった、という感覚がまだぬけてない感じもあって。
会う人会う人に TX はどう？カリフォルニアとどっちがいいの？と訊かれます。テキサンにももちろんきかれる。ここにきて慣れないことのひとつは虫の多さ。パリでもサンノゼでもゴキを一度も見なかったからなあ。



あとは、それまで外国人が特に多い土地ばかりだったので気楽だったこと。ニューヨーク→パリ→カリフォルニア→テキサス。NYとCAはアメリカじゃないという言い方もあるくらいなので。
リアルアメリカと実感するのは銃のこと。アメリカでは３世帯のうち１世帯が銃を持っていると言われており、ここで初めて家族で普通のスポーツ用品店にいったとき、壁一面に銃をディスプレイ販売しているのを見てとても不安な気持ちになりました。小さな子供が隣にいるのに、すぐそこで人間を標的にする銃が気軽に売られているという現実。これは常に頭を離れないし、気をひきしめて過ごすようにしています。



でも暮らしてみれば楽しみも少しづつ増えてきました。それはやっぱり友だちができたから。引っ越しするときに、どこにいっても友だちさえできればきっと楽しいよと言われたけれど、ほんとうにそのとおり。

フランス語を教えてくれるカテリン先生が、アメリカ社会の魅力はプラクティカルであること、そしてダイナミックであることだと話していました。リアルアメリカと言われるここ南部で、そういうことも少し考えてみたいと思っています。

ししとう

この夏は、ししとうをたーくさん食べてます。

オモニが作る、蒸してから辛くムンチするししとうが大好きなのに、自分では作れないとあきらめていて今まで買ったことがありませんでした。でも野菜のおじさんが持ってきてくれるので買ってみたら焼いたり蒸したりの使い勝手がよくて大活躍。試してみてよかったーー

平たくてテキサスらしいなあと思った風景。

道路の外側に落ちている白いものは、綿花のこぼれもの。我が家はもうちょっと、町側に住んでいるんだけどね。

エマのフランス語

エマもフランス語が優勢になりはじめてきて、アットンネー（Attendez、待って）、 アゲテー（Arrete、やめて）、パシャ（Pas ca、否定や拒否）、シャー（Ca、指示出し）、Je fais Emma（自分でする）、セエマサ（これはわたしの）、セパボンサ（おいしくないよ）、セボーボーサ（これはイタイイタイね）など、妖精みたいなふわふわの声でひっきりなしに話しています。

あら、と思うのは、Oui もしくはYes とはっきり返事をすることと、Emmaと自分の名前をすでに言えるところ。

指人形

レオンはサマーキャンプで、工作をたくさん持ち帰ってきました。目玉の工作は、どんな風に使うのかなあと考え込んでいたらレオンがそばにきて、こう指に、指輪みたいにはめるんだよと。

N先生のサマーキャンプもおわりです。いろいろ教えてくれて毎日みっちりすごした先生も季節が変わるともうおしまい。ちょっとさみしい。



今日はもうすぐロンドン五輪の男子サッカー三位決定戦。韓国と日本。五輪サッカーでアジア二か国がそろって４強まで勝ち進んできたのは初めてだそう。精一杯勝ちにいく姿はほんとかっこいいなあ。良いゲームをみれますようにーー

フクロウと唐辛子

何ヶ月か前から夜間、小動物がベランダにフンを落としていくようになりました。こまめに掃除をすると、すればするだけあっちもマメに落としていく。根負け競争みたいになってイライラし始めたころ、とうとう果てた小鳥を持ち込まれ（いやがらせ）それが二日つづいたので、ペストコントロールにきてもらいました。

ペストコントロールはフンを見て、自分もこれはネズミだと思う、でもネズミが小鳥をころすのは見たことがないとのこと。そして罠をしかけてくれたけどさわった形跡だけで捕まりませんでした。

庭仕事が趣味のカテリン先生に話したら、ふたつアドバイスをくれました。まず、激辛の唐辛子を三日間つけこんだ水をスプレーする。激辛水をしみこませたクッキーなども置いておく。それとフクロウの置物を置く。フクロウはネズミの天敵だそう。

これを教えてもらったのが休暇に出る直前。出掛ける前に唐辛子のスプレーを数日つづけてまき、ターゲットの園芸コーナーで見つけたフクロウの置物を置いていきました。そしたらなんと、二週間後に帰ってきたときフンがひとつも落ちていなかった！今また少しづつ落とされるようになったけど、フクロウを置いてある角には落とされない。フクロウをもうひとつ買いにいってきます。

エルモ

マイヨーバン！

ふたりともプールが大好き。レオンが朝サマーキャンプに出かけると、エマはプール用品の入れてあるバックから水着をとりだして並べたり詰め込んだり繰り返しながら、ピシン？ピシン？（プール）、マイヨーバン？マイヨーバン？（水着）と一日中ねだっています。

金曜の夕方は、仕事帰りのパパがプールに連れていってくれるので、OLが家に帰るころには二人とも準備万端で待ち構え。

夜中、エマが寝言を言ってるので耳をすませてみたら「ピシン」でした。