2011年3月8日火曜日

オーガニックミルク。






オリヴィエがオーガニックミルクを買ってくるようになりました。きっかけはアメリカの食の安全問題をテーマにしたドキュメンタリー映画 Food Inc.





わたしは見ていないんだけど、アメリカの食品業界が5つの大企業で占められていてその独占状態でどのように食料生産されているか、お肉が安く買える理由、遺伝子組み換えトウモロコシ、などのエピソードがでてくるそうで、オリヴィエは映画を見た日以来ハンバーガーを食べていないし、スーパーでは精肉コーナーを隅から隅までチェックするようになり、なにより、レオンのためにオーガニックミルクを買うようになりました。カリフォルニアに移って五年、ここのオーガニックはマーケティングだと言ってオーガニック製品を買うわたしをオリヴィエは笑っていたんだから、それを考えると大きな変化。












それで思い出したのが去年読んだ本。Akiko さんが送ってくれた、辺見庸の「屈せざる者たち」という対談本で、「人間には根源的欠陥がある。大局的にものをみることができない」という話し。文化人類学者の西江雅之さんとの対談にでてくる部分で、確かに、いろいろと度を超した現代を思えばぴったりはまる。





この対談の中で印象に残った部分がもうひとつ。現代は「世界は徐々によくなる」という進歩史観が強いのだけど、ほんとうはそうじゃない、文化は変化しているだけで進歩はしていないという話し。オリヴィエは気味が悪くなって映画を最後までは見れなかったそう。ほんとうのことほど知るのはつらいものだもんね。