6月6日、三日目。
この日はスペイン側へ行ってみた。St. Sebastien という街まで、車でたったの45分。わたしは初めてのスペイン。行きの車で Hola! と Gracias! をたくさん練習しておいた。
サンセバスチャンはちょっと調べるとでてくるでてくる、美食の街、というタイトルが。
バールに入って、pintxos ピンチョスと呼ばれる串料理など好きなものを好きなだけお皿にとって、ぐいっと一杯。というのが定番スタイルらしい。しかも大事なアドバイスは、ひとつのバールで食べ過ぎないで、バールを次々はしごするというもの。
我が家も3軒はしごしたのだけれど、行く先々つい自分好みの似たものを選んでしまうのが慣れてない証拠。オリヴィエはイベリコハムなどの生ハムものばかり、わたしはタコばっかり。だってこのタコ、信じがたいくらいに柔らかいんだもの。
この日はロランギャロスの決勝戦があって、ナダルが出ているものだからどこでもテレビ前が込んでいた。ナダル、すっかり大人の男になっちゃったね。
最初の一杯のあと、わたしはミネラルウォーターにしたのだけれど、オリヴィエは3杯飲んだあたりから明らかにほろ酔い。酔いを冷まそうと街歩きしていたら、教会にたどりついた。
入ってみようよ、と言ってもオリヴィエは座り込んでひとりニコニコしているだけ。レオンはおやつのエビ満月をもっとちょうだい、とぶーたれている。
入ってみたら血中のアルコール分が飛ぶような荘厳壮麗な教会で、あとから調べるとこのサンタマリア教会は12世紀に建てられたものだった。
海沿いのベンチでいびきをかいていた。
レオンははじめての回転木馬。
つぼにはまったらしくて、口をあけたまま大喜びしていた。たぶん、やったー、できたーって叫んでいたんだろうね。
美食の街ってことはくいだおれの街。おいしそうなおやつもたくさん見かけたのだけれど、お腹がふくれすぎてて入らない。
そろそろフランスに帰ろうかと駐車しておいたところへ戻ったら、車がなくなっていた。警察に牽引されたらしい。これでさすがにきれいに酔いが醒めたみたい。
居住者専用のレーンに停めていたらしく、街の中心地にある警察署までとぼとぼ15分。罰金156ユーロを払って、車が盗難されなくてよかったよねえと言いながら帰ってきた。休暇だから、やっぱり気分が軽いんだわ。スペイン、楽しかったね。