2011年9月30日金曜日

9月から10年。





9月は、ぼんやりとだけどでも毎日のようにニューヨークのことを思い出します。気がつくとなんとなく数珠つなぎのようにあれこれと。

2004年だったと思うけど、マイケルムーア映画監督が「Fahrenheit 911」で外国メディア向けに記者会見をしたことがありました。セントラルパークの南端にあるホテルのバンケットルームで行われて、海外メディアがずらりと並んだ質疑応答。中でも「なぜ映画を作るのか」という質問への答えが印象深くて覚えています。

監督の答えはシンプル。自分はアメリカを良い国として知られたいと思っている。例えばアフリカにいって井戸を掘る、そしてその土地のひとたちに「アメリカは井戸を掘ってくれた、きれいな水を飲めるようにしてくれた」というように知られたらいい。アメリカには実際にその技術もあるのだから。でも今のアメリカはそのようには知られていない。
アメリカの暗部や矛盾を追い続ける監督の、アメリカをよくしたいからこそ問うという考え方。

自分の国にたいして、狂信的にならず盲目にならず、でもあきらめもせず、そして大切にする方法はいくらでもちゃんとある。そういうこともいつも忘れないようにしたい。