オリヴィエが、フランスの Metz にいるおばあちゃんに電話をした。メッスはドイツにほど近い、静かな町。
サンフランシスコからかけてるよ、とオリヴィエが言うと、携帯電話のスピーカーからジャンヌの声が聞こえてくる。
セッタン・ミハークル!
C'est un miracle!! ミラクルだわ〜!電話回線は大海をわたって、フランスも横断してくるのに、こんなにオリヴィエの声がクリアに聞こえるなんて。
ほんとうだよねえ。わたしもあっという間にパソコンやらインターネットやらメルアドやらスカイプやら携帯電話に慣れちゃって、普通の顔して使っているけど、ほんとに奇跡だ。
ジャンヌは電話するたびにミラクルだって言うんだよ、とオリヴィエは笑ったけれど、携帯電話を耳にあててるオリヴィエはすっごく嬉しそう。87歳のおばあちゃんの明るい声をこんなに近くに聞くことができて、ほんとはオリヴィエが誰より喜んでいる。
レオンもだいぶよくなって、日曜にはサンフランシスコにクリスマス用の贈り物を探しに行った。
降るような、クリスマスのためのイルミネーション。夜に見たらもっときれいなのかしら。