先週、韓国のスーパーでムヂゲトッ、虹の餅を買ってきた。
蒸したレインボーはほんのり甘くて、お正月を思い出す味。
このお餅を食べながらお正月のことを考えた。お正月の記憶と言ったら、わたしにとってはところ狭しと並べられた料理やお年玉、そして一緒に遊んでくれたかっこいい従兄たち、と楽しいことばかり。
この晩、記憶の旅をする映画を観た。アリ・フォルマン監督のWaltz with Bashir 。戦場のワルツ。
イスラエル人のアリ監督は、20年前に経験したはずの戦場でのことを何も覚えていないことにふと気づいて、自分に何がおこったのかを探し出すという、ほんとにあった話。オリヴィエと一緒に観たけれど、一人だったら最後まで見れなかったかもしれない。
わたしたちは生まれてから見たこと感じたこと経験したことのすべてをちゃんと記憶に納めているらしいけれど、生きていくために選んでいる。
お正月の記憶も、よく考えてみたらもっといろいろあった気がする。離散していて、一緒に祝うことができない親戚たちのことを思って、涙を流す大人たちを毎年そっと見ていたこととか。ほんとはちゃんと覚えているんだってことを、お餅を食べて思い出した。